【メール文例あり】「値上げなら契約解除」への返信術|リスクヘッジと交渉の引き際

交渉・要請

「値上げをお願いしたのに、まさか契約解除をチラつかされるなんて……」と、目の前が暗くなるような思いをしていませんか。

長年貢献してきた自負があるほど、相手からの「嫌なら辞めていい」という趣旨の回答はショックなものです。しかし、ビジネスにおける「契約解除」という言葉は、必ずしも本心ではなく、交渉を有利に進めるための強いカードとして使われている場合も少なくありません。

この記事では、相手の強い言葉にどう対処し、自社のダメージを最小限に抑えながら着地させるか、その具体的な手法とメール文面を解説します。

交渉の引き際を見極め、リスクを最小限に抑える3つの準備

相手から強い拒絶を受けた際、焦ってその場しのぎの返信をするのは禁物です。まずは以下の3点を整理しましょう。

現在の契約書(解約予告期間)を再確認する たとえ相手が「明日から契約解除だ」と言ったとしても、契約書に「解約の3ヶ月前までに通知する」といった定めがあれば、即時の打ち切りは原則として認められません 。まずは手元の契約書を読み返し、法的な猶予期間を確認しましょう

「撤退」か「現状維持」かの損益分岐点を明確にする 「赤字でも契約を維持すべき理由(将来の大きな案件など)」があるのか、それとも「このまま受けるほど赤字が膨らむ」のかを冷静に計算してください。引き際のライン(これ以上は絶対に譲れない条件)が決まれば、迷いが消えます。

一方的な要求には「法的視点」を持つ 著しく低い価格を一方的に押し付け、応じない場合に不利益を与える行為は、下請法や独占禁止法に抵触する可能性があります 。法的トラブルが懸念される場合は、顧問弁護士への相談も視野に入れ、感情的にならずに法的根拠を持って対応することが自衛に繋がります

【コピーして使える】リスクを管理する返信メール文例集

相手の反応を見つつ、自社の被害を最小限にするための文面を使い分けましょう。

パターン①:一度立ち止まり、歩み寄りのための協議を提案する場合

相手の「解除」という言葉を一旦冷静に受け止めつつ、話し合いの余地を探る文面です。

件名: 【ご相談】〇〇(製品・サービス名)の取引条件に関する再協議のお願い

〇〇株式会社
〇〇様

いつもお世話になっております。
〇〇商事株式会社の丸山です。

先日は、価格改定に関する弊社のご相談に対し、貴重なご意見をいただき誠にありがとうございました。 契約の継続について厳しいご意向を伺い、私どもといたしましても重く受け止めております。

弊社としては、貴社との長年の信頼関係を今後も大切にしていきたいと切に願っております。
つきましては、双方が納得できる「中間的な着地点」について、今一度お打ち合わせの機会をいただけないでしょうか。

例えば、実施時期の延期や、改定幅の調整など、柔軟に検討させていただく用意がございます。
本件を円満に解決し、引き続き貴社に貢献したく存じます。

お忙しいところ恐縮ですが、一度ご面談のお時間をいただけますと幸いです。

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署名
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パターン②:契約継続を優先し、値上げを一旦「白紙」に戻す場合

「今は契約を切られるリスクが大きすぎる」と判断し、戦略的に撤退(現状維持)を選択する際の文面です。

件名: 価格改定のお願いに関する取り下げのご連絡

〇〇株式会社
〇〇様

いつも格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
〇〇商事株式会社の丸山でございます。

先日ご提案申し上げました価格改定の件、貴社の現況を鑑み、社内で慎重に再協議いたしました。

結果として、現時点での価格改定は一旦取り下げ、現行価格のままお取引を継続させていただくことといたしました。
私どもの提案により、多大なるご心配とご不便をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。

今回の改定は見送りますが、今後もより一層の品質向上とコスト削減に努め、貴社のビジネスに寄与してまいる所存です。

引き続き、変わらぬご愛顧を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

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署名
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パターン③:条件が合わず、円満な「契約終了」の手続きへ移行する場合

交渉が決裂した際、泥沼化を避けてスムーズな引き継ぎと終了を提案する文面です 。

件名: 【重要】契約終了に伴うお手続きおよび引き継ぎのご案内

〇〇株式会社
〇〇様

平素は多大なるご厚情を賜り、誠にありがとうございます。
〇〇商事株式会社の丸山でございます。

先般より協議を重ねてまいりました価格改定の件につきまして、
貴社のご意向に基づき、誠に残念ながら現契約を終了する方向で手続きを進めさせていただきます 。

これまでの多大なるご厚情に、心より感謝申し上げます。
終了にあたり、業務の停滞などで貴社にご迷惑をおかけしないよう、
以下の通り引き継ぎ等のスケジュールを想定しております 。

■今後の流れ
・最終納品日:〇月〇日
・引き継ぎ資料の提出:〇月〇日まで
・契約終了日:〇月〇日(契約書第〇条の規定に基づく)

スムーズな業務移管のため、詳細について改めてお打ち合わせをさせていただけますでしょうか。
最後まで責任を持って対応させていただきます。

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署名
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まとめ

「契約解除」という言葉は、交渉において最も強力なプレッシャーですが、そこで自分を失わないことが大切です。

・契約書の「解約ルール」を盾に、時間を稼いで冷静になる ・「負けるが勝ち」の現状維持か、未来のための「円満な撤退」かを決める ・最後の瞬間までプロとしての誠実な対応を貫き、悪評を防ぐ

どんな結果になろうとも、自社の価値を安売りしすぎず、対等なビジネスパートナーとして振る舞うことが、次の新しいチャンスを呼び込みます。

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