取引先や顧客から「損害を賠償してほしい」というメールが届いたら、誰でも動揺してしまうものです。「すぐに謝らなければ」と焦ったり、逆に「そんなはずはない」と感情的に反論したくなったりするかもしれません。
しかし、損害賠償に関わるメールは、一言一句が後に法的な証拠(言質)として扱われる可能性があるため、非常に慎重な対応が求められます。
この記事では、相手の請求に対して失礼なく、かつ自社の立場を適切に守るための回答メールの書き方と例文をご紹介します。この記事を読めば、落ち着いて現状を整理し、リスクを最小限に抑える返信ができるようになるはずです。
責任の所在を明確にするための基本ルールとマナー
損害賠償への返信は、通常のビジネスメール以上に「言葉の重み」を意識する必要があります。まずは、トラブルを大きくしないための3つの基本を確認しましょう。
1.「安易に非を認めない」ことが最大の防衛策 たとえ自社に落ち度があると感じても、メールの中で「全面的に弊社の責任です」「おっしゃる通りです」と即断するのは避けましょう。法的な責任の有無や賠償額の妥当性は、事実関係を精査した上で判断されるべきものです。まずは「事実関係を確認します」という姿勢に留めるのが鉄則です。
2.返信を無視せず、必ず「受け取ったこと」を伝える 「返信に困るから」と無視し続けるのは最悪の選択です。相手の不信感を煽り、法的措置(訴訟など)に発展するリスクを高めてしまいます。反論がある場合でも、まずは「請求を拝受したこと」と「いつまでに回答するか」を伝え、誠実に対応している姿勢を見せましょう。
3.感情的な言葉を避け、事務的かつ誠実なトーンを貫く 相手が強い言葉で責めてきても、同じ土俵に乗ってはいけません。冷静で事務的なトーンを保つことで、こちらの正当性を強調できます。クッション言葉を活用しつつ、事実にのみフォーカスして文章を組み立てましょう。
【コピー&ペーストで使える】損害賠償への回答・反論メール例文
状況に合わせて使い分けられる3つの文例を用意しました。いずれの場合も、送信前に必ず上司や法務担当、必要であれば専門家の確認を通すようにしてください。
パターン①:請求内容が事実無根であり、全面的に反論する場合
相手の主張に根拠がない場合に、毅然としつつも丁寧に反論する文面です。
パターン②:事実関係は認めるが、請求金額の妥当性を再考したい場合
非はあるものの、相手の請求が過大であると感じる場合の交渉用文面です。
パターン③:事実関係の調査に時間を要するため、回答を保留する場合
「無視はしていない」ことを伝え、回答期限を設けて時間を稼ぐ文面です。
まとめ:冷静な一通が、さらなるトラブルの拡大を防ぐ
損害賠償請求への回答で、最も大切なのは以下の3点です。
・事実確認が済むまでは、安易に謝罪や賠償の約束をしない。 ・無視はせず、まずは「受け取った」ことと「回答期限」を伝える。 ・事実に基づき、事務的かつ丁寧なトーンで一貫した主張を行う。
相手が感情的になっている時こそ、こちらはプロフェッショナルな対応を貫きましょう。一人で抱え込まず、社内での相談や専門家の助言を得ながら、冷静に進めていくことが肝心です。
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