「新しいビジネスの相談をしたいけれど、詳細を話す前に秘密保持の約束をしておきたい」「契約の話を出すと、相手に不信感を与えないだろうか」と悩んでいませんか。
ビジネスにおいて、自社の技術や顧客リスト、未公開の企画を守ることは、会社を守ることそのものです。NDA(秘密保持契約)の締結は、決して相手を疑っているから行うものではなく、お互いが安心して情報を開示し、実りのある議論を行うための「プロとしてのエチケット」です。
この記事では、相手に配慮しながらも、滞りなくNDAの締結を進めるためのメールの書き方とマナーを解説します。
NDA締結依頼をスムーズに進めるための基本ルール
契約の依頼は、内容の正確さはもちろん、相手の事務的な負担を減らす配慮が重要です。
機密情報を「開示する前」に送るのが鉄則 NDAは、機密情報をやり取りする「前」に結ばれている必要があります。商談の途中で「あ、今の話は秘密にしておいてください」と後出しで契約を求めるのは、マナー違反であるだけでなく、法的な保護が不十分になるリスクもあります。最初の顔合わせが終わった直後や、具体的な提案に入る一歩前の段階で切り出すのが最も自然です。
ドラフト(案)の形式と修正可否について一言添える メールには契約書のドラフト(案)を添付します。この際、PDFだけでなく、相手が修正履歴を入れやすいWord形式も合わせて送ると親切です。「貴社の規定フォーマットがある場合は、そちらでの締結も検討いたします」と一言添えるだけで、相手の警戒心を大きく下げることができます。
電子契約(クラウドサイン等)か書面かを確認する 近年はクラウドサインなどの電子契約サービスが主流ですが、企業によっては「社内規定により書面(押印)のみ」という場合もまだあります。あらかじめ「弊社では電子契約を推奨しておりますが、貴社のご意向はいかがでしょうか」と確認しておくことで、その後の手続きがスムーズになります。
【コピーして使える】NDA締結依頼のメール文例集
取引のフェーズや利用するツールに合わせて、以下のテンプレートを活用してください。
パターン①:新規取引・商談開始にあたって送る場合(標準的)
初対面の商談後など、これから具体的な情報交換を始める際に最適な、丁寧で標準的な文面です。
パターン②:すでに面識のある相手に、深い提案のために送る場合
以前からの知り合いに対し、新しいプロジェクトの核心に触れる話をしたい時の、少し柔らかい文面です。
パターン③:電子契約サービス(クラウドサイン等)を利用する場合
効率化を重視し、最初から電子契約でのフローを案内する際の実務的な文面です。
まとめ
秘密保持契約(NDA)の依頼は、ビジネスの安全性と信頼性を高めるための大切なプロセスです。
・具体的な情報を開示する「前」に、余裕を持って依頼する ・相手の社内確認の手間を考え、編集可能な形式や電子契約を提案する ・「お互いの情報を守るため」という互恵的な姿勢を言葉にする
契約は「守りの第一歩」です。丁寧な依頼メールを送ることで、相手に「この会社はコンプライアンス意識が高く、安心して付き合える」というポジティブな印象を与え、より強固な信頼関係を築いていきましょう。


