「長年お世話になっている取引先に、料金値上げを伝えるのが心苦しい……」 B2Bサービスの担当者にとって、価格改定の通知は最も気を遣う業務の一つです。しかし、無理な価格維持によるサービスの質低下は、結果として相手企業に不利益を与えてしまいます。
大切なのは、単なる「告知」ではなく、「今後も安定して価値を提供し続けるための前向きな選択」として伝えることです。この記事では、相手の納得感を高め、信頼関係を維持するための書き方のポイントと、今すぐ使える例文をご紹介します。
関係性を壊さないための3つの基本マナー
企業間取引では、相手側にも予算取りや稟議(りんぎ)のフローがあります。以下の3点を守ることで、相手の負担を最小限に抑えましょう。
1. 通知は「適用開始の3ヶ月前」をデッドラインにする 多くの企業は年度や半期ごとに予算を組んでいます。突然の価格変更は相手の予算計画を狂わせる最大の要因になります。最低でも3ヶ月前、契約更新のタイミングが近い場合はその更新期間に合わせて余裕を持って連絡しましょう 。
2. 件名に「重要」と「サービス名」を明記し、見落としを防ぐ 多忙な担当者のメールボックスの中で埋もれないよう、件名は一目で重要性が伝わるものにします。「サービス料金改定のお知らせ」だけでなく、冒頭に**【重要】**と付け加え、何のサービスに関する件かをはっきりさせましょう。
3. 「なぜ今なのか」を具体的な背景で裏付ける 「諸般の事情」という曖昧な言葉は避けましょう。 ・サーバー維持費の昨対比〇%増 ・法改正に伴うセキュリティ基準の強化 ・専門人材の採用コストおよび労務費の上昇 など、自社努力だけでは吸収できない具体的な背景を添えることが、納得感につながります 。
【シチュエーション別】そのまま使える値上げ通知メール例文集
パターン①:【SaaS・ITツール】システム維持費・セキュリティ強化に伴う改定
ITツールやDX関連サービスで、インフラコストの増大を理由とする場合の文例です 。
パターン②:【保守・運用サービス】人件費・採用コスト増大に伴う改定
コンサルティングや業務委託など、「人」が介在するサービス向けの文例です 。
パターン③:【重要顧客向け】個別面談・オンライン商談の打診をセットにする場合
特に密な関係性がある顧客へ、メールだけで終わらせず誠意を見せる場合の文例です。
まとめ:誠実な通知が「質の高いパートナーシップ」を作る
サービス料金の値上げは、決して後ろ向きなことではありません。以下の3点を意識して、誠実に伝えましょう。
- 十分な猶予(3ヶ月以上前)を持って連絡する
- 「なぜ値上げが必要か」の客観的な理由を明記する
- 改定後もサービス品質を向上させる姿勢を見せる
真摯な対応は、一時的なコスト増を乗り越え、より強固な信頼関係を築くきっかけにもなります。


