値上げ交渉メールの書き方|取引先が納得する「根拠」の作り方と文例3選

交渉・要請

原材料費の高騰や人件費の上昇など、避けては通れない「値上げ」の局面。取引先へメールを送る際、「断られたらどうしよう」「関係が悪化するのではないか」と不安になるのは当然です。

しかし、適切な「根拠」を提示し、誠実な態度で相談すれば、多くの取引先は理解を示してくれます。大切なのは、単に「苦しいから上げてほしい」と伝えるのではなく、相手が社内で説明しやすい「納得の材料」を添えることです。

この記事では、取引先が納得する根拠の作り方と、そのまま使える丁寧なメール文例を紹介します。

なぜ拒否される?納得感を生む「根拠」の作り方

値上げの打診が拒否される最大の原因は、根拠が曖昧で「ただの利益確保」に見えてしまうことです。相手の担当者が「これなら仕方ない」と上司を説得できる材料を揃えましょう。

・具体的な数字(上昇率)を提示する 「諸物価の高騰」という曖昧な表現ではなく、「原材料費が昨年比で20%上昇している」といった具体的な数字を盛り込みます。公的な統計データや、仕入れ先からの値上げ通知を引用するのも効果的です。

・自社の努力(コスト削減)をセットで伝える 「いきなり値上げをお願いするわけではない」という姿勢が重要です。工程の効率化や経費削減など、自社で可能な限りの自助努力を行った結果、それでも吸収しきれなかったというプロセスを説明しましょう。

値上げメールを送る際の3つの基本マナー

メール一通で信頼を損なわないよう、以下のマナーを徹底してください。

1. 実施の2〜3ヶ月前には連絡する 取引先にも予算や支払い計画があります。急な告知は混乱を招くため、遅くとも適用開始の2〜3ヶ月前には第一報を入れるのがビジネスの鉄則です。

2. 件名で「重要かつ具体的な内容」であることを示す 他のメールに埋もれないよう、一目で「価格改定の相談であること」が伝わる件名にします。「重要」「価格改定のお知らせ」といった言葉を使い、見落としを防ぎます。

3. 「一律のお願い」ではなく、個別の事情に配慮する テンプレートの使い回し感が出すぎると、相手は「大切にされていない」と感じてしまいます。日頃の感謝を厚く伝えつつ、相手の状況にも配慮した言葉を添えましょう。

【コピーOK】シチュエーション別・値上げ交渉メール文例

パターン①:原材料・エネルギー価格の高騰による改定

もっとも一般的な、外部環境の変化を理由とするケースです。

件名: 【重要】製品価格改定に関するお願い(〇〇商事 丸山)

〇〇株式会社
〇〇様

いつもお世話になっております。
〇〇商事株式会社の丸山です。

平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

さて、本日は弊社製品の価格改定につきまして、大切なお願いがございます。
すでにご高承の通り、昨今の世界的な原材料費およびエネルギー価格の高騰が続いております。

弊社におきましても、これまで生産の効率化や諸経費の削減により価格の維持に努めてまいりました。しかしながら、原材料費の25%におよぶ上昇は自社努力のみで吸収することが極めて困難な状況に至っております。

つきましては、誠に心苦しい限りではございますが、202X年〇月〇日受注分より、下記の通り価格を改定させていただきたく存じます。

・対象製品:〇〇シリーズ全品
・改定率:現行価格の約10%〜15%増
・実施時期:202X年〇月〇日より

何卒、諸事情をご賢察いただき、今後とも変わらぬお引き立てを賜りますようお願い申し上げます。
まずは書中をもちまして、略儀ながらお願い申し上げます。

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署名
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パターン②:物流費・人件費の上昇による改定

配送コストや保守運用の人件費を理由とするケースです。

件名: 【ご相談】サービス運用保守料金の改定につきまして

〇〇株式会社
〇〇様

いつもお世話になっております。
〇〇商事株式会社の丸山です。

日頃より弊社の運用保守サービスをご利用いただき、誠にありがとうございます。

本日は、サービスの品質維持を目的とした料金改定のご相談でご連絡いたしました。
現在、物流コストの上昇およびITエンジニアの採用・育成コストが大幅に増加しております。

弊社といたしましては、今後も〇〇様の業務を安定的にサポートできる体制を維持・強化していくため、やむを得ず料金体系を見直す運びとなりました。

改定内容の詳細につきましては、添付の資料をご高覧いただけますでしょうか。
〇〇様にはご負担をおかけすることとなり、誠に恐縮ではございますが、
より一層のサービス向上に努めてまいる所存です。

本件につきまして、一度オンラインにて詳細をご説明するお時間をいただければ幸いです。 ご多忙の折とは存じますが、ご検討のほどよろしくお願い申し上げます。

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署名
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パターン③:サービス内容の拡充に伴う価格の見直し

単なる値上げではなく、付加価値が高まったことを理由にするポジティブな交渉です。

件名: 【ご案内】新機能追加に伴うプラン改定のお知らせ

〇〇株式会社
〇〇様

いつも多大なるご支援をいただき、心より感謝申し上げます。
〇〇商事株式会社の丸山です。

この度、弊社が提供しております「〇〇システム」におきまして、大幅なアップデートを実施することとなりました。
今回のアップデートでは、多くのお客様からご要望いただいておりました「自動分析機能」および「他社ツール連携機能」を標準搭載いたします。

これに伴い、より高度なサポート品質を提供し続けるため、月額費用を下記の通り改定させていただきたく存じます。

・新月額料金:〇〇,000円(現行より5,000円の増額)
・適用開始日:次回の契約更新時より

本改定により、〇〇様の業務効率化にさらに貢献できるものと確信しております。
今後とも、貴社のビジネスパートナーとして尽力してまいりますので、何卒ご理解を賜りますようお願い申し上げます。

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署名
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まとめ:価格改定は「信頼関係」を維持するためのステップ

値上げの交渉は、決して後ろ向きなことではありません。正当な対価を受け取ることは、サービスの品質を保ち、継続的にお客様をサポートするために必要な決断です。

・具体的な数字で「なぜ今、値上げが必要か」を可視化する。 ・自社の努力を伝え、誠実な姿勢を見せる。 ・相手のスケジュールを尊重し、早めに相談する。

この3点を意識することで、取引先との信頼関係を維持しながら合意を得やすくなります。勇気を持って、誠実に一歩を踏み出しましょう。

もし、価格交渉後のフォローや契約更新の進め方で迷った際は、当サイト(https://mlck.jp/)の関連記事もぜひ参考にしてください。

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