値上げ却下への切り返し術!条件変更で着地させる代替案提示メールの書き方

交渉・要請

「値上げをお願いしたけれど、きっぱりと断られてしまった……」そんな時、すぐに諦めて「分かりました、現行通りで」と引き下がっていませんか。

原材料や人件費が高騰する中、価格の据え置きは自社の経営に大きな負担となります。しかし、ビジネスの交渉において、一度目の「NO」は必ずしも決裂を意味しません。価格そのものが変えられないのであれば、業務内容や取引の条件を見直すことで、実質的な利益率を改善させる「代替案(プランB)」の提示が有効です。

この記事では、取引先との関係を良好に保ちつつ、条件変更によって双方が納得できる着地点へ導くためのメール術を解説します。

代替案提示の基本ルール:感情論ではなく「条件の等価交換」を意識する

値上げを断られた際の再交渉で最も大切なのは、相手を説得しようとするのではなく「条件の組み換え」を提案する姿勢です。

「NO」と言われた直後の返信タイミングが重要 返信は、断りの連絡を受けてから1日から2日以内、遅くとも3日以内には送るようにしましょう。時間が空きすぎると、相手の中で「現行価格で決着した」という認識が固まってしまいます。一方で、即レスすぎるのも「感情的な反論」と取られかねないため、社内で慎重に検討したという体裁を整える時間が適しています。

件名には「再協議」や「条件変更」の言葉を添える メールの件名には「再検討のお願い」や「条件変更に関するご相談」といった言葉を含めましょう。相手に「単なる値上げの再プッシュではない」と分かってもらうことで、開封して内容を検討してもらえる確率が高まります。

「何を減らし、何を守るか」の優先順位を整理する 価格が維持されるのであれば、自社側のコストを減らすしかありません。作業工程の一部カット、納期への余裕、支払日の前倒しなど、自社にとってメリットがあり、かつ相手にとっても「それなら検討の余地がある」と思える項目を事前にリストアップしておきましょう。

【コピーして使える】条件変更で着地させるメール文例集

状況に応じて、自社の利益を確保するための「切り返し」パターンを使い分けてください。

パターン①:業務範囲やサービス内容の縮小を提案する場合

価格据え置きの代わりに、提供するサービスの一部を制限することで、実質的なコスト削減を図る文面です。

件名: 【再協議】〇〇サービスのご提供内容および取引条件に関するご提案

〇〇株式会社
〇〇様

いつもお世話になっております。
〇〇商事株式会社の丸山です。

先日は、価格改定に関するご回答をいただき、誠にありがとうございました。
貴社のご事情も重々承知いたしました。

弊社といたしましても、現行価格での継続について社内で再検討を行いました。
その結果、価格を据え置く代わりに、提供業務の範囲を一部見直すことで、
現在のコスト増を吸収させていただきたく、以下の通りご提案申し上げます。

■変更案のご提示
・現在月4回実施している定期報告を、月2回(隔週)へ変更
・付随業務としてのデータ入力代行を、貴社にてご対応いただく

上記のような調整が可能であれば、当初ご相談した価格改定を行わず、
現行価格のまま契約を継続させていただく所存です。

品質を維持しながらお取引を継続するための苦肉の策ではございますが、
何卒前向きにご検討いただけますと幸いです。

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署名
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パターン②:契約期間の延長や発注量の確約を条件にする場合

単価を据え置く代わりに、長期的な契約や大量発注を確約してもらい、安定収益を確保する文面です。

件名: 〇〇製品の価格据え置きに伴う、年間契約への切り替えに関するご相談

〇〇株式会社
〇〇様

いつも格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
〇〇商事株式会社の丸山でございます。

先般ご相談いたしました単価改定の件、現時点での実施は難しいとの旨、承知いたしました。

弊社といたしましても、大切なお取引先である貴社とは、今後も変わらぬ関係を継続していきたいと願っております。
そこで、単価は現行通りとさせていただく代わりに、安定的な供給体制を確保するため、取引条件を以下の通り変更させていただけないでしょうか。

■ご提案内容
・スポット発注から、1年間の継続契約への移行
・月間の最低発注量を〇〇個以上で固定

上記のように、中長期的なお取引を確約いただけるのであれば、弊社側でも製造コストの平準化が可能となり、今回は値上げを見送らせていただくことが可能となります。

貴社のコストメリットにもつながるご提案かと存じます。
詳細について、一度お打ち合わせのお時間をいただけますでしょうか。

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署名
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パターン③:納品頻度や決済条件の変更により自社コストを下げる場合

配送コストや資金繰りの面で自社の負担を軽くすることで、価格維持を可能にする文面です。

件名: お取引継続に向けた条件変更(配送・支払条件)のご相談

〇〇株式会社
〇〇様

平素は多大なるご厚情を賜り、誠にありがとうございます。
〇〇商事株式会社の丸山でございます。

この度は、価格改定のお願いに対し、率直なご回答をいただき感謝申し上げます。
現行価格での維持という貴社のご要望にお応えすべく、社内で代替案を協議いたしました。

つきましては、価格は据え置きとしたまま、物流・管理コストを削減するため、
以下の条件変更をご相談させていただけますでしょうか。

■代替案のご提示

  1. 納品頻度の変更:週3回の配送を、週1回のまとめ配送へ変更
  2. お支払条件の変更:翌々月末払いを、翌月末払いへ変更

特に配送頻度の集約により、昨今の燃料費高騰分を一定程度相殺できる見込みです。
これらの変更にご承諾いただけるようであれば、今回の値上げは見送らせていただきたく存じます。

お手数をおかけいたしますが、社内でご検討のほど、よろしくお願い申し上げます。

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署名
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まとめ

値上げ交渉において、一度目の却下は「対等な協議の始まり」です。

・価格が変えられないなら「条件」を変える視点を持つ ・業務縮小、長期契約、コスト削減策などの「代替案」を用意する ・双方が持続可能な「着地点」をメールで丁寧に模索する

このように粘り強く、かつ戦略的に提案を続けることが、結果として自社の利益と取引先からの信頼の両方を守ることにつながります。一歩踏み込んだ提案で、より良い解決策を見つけていきましょう。

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