「NO」と言われてからが本当の交渉のスタート
「今回は予算の関係で、値上げは一切受け入れられません」 このようにきっぱり断られてしまうと、これ以上の交渉は無理だと諦めてしまいそうになりますよね。しかし、ビジネスにおいて一度目の拒絶は「現在の条件では難しい」という返答に過ぎません。
価格そのものを上げられないのであれば、**「条件を変えることで、実質的なコスト負担を減らす」**という道が残されています。大切なのは、相手の面子を潰さずに、双方が納得できる「落とし所」を見つけることです。
この記事では、断られた後の切り返しとして有効な代替案の作り方と、角を立てずに再提案するメール術を解説します。
価格据え置きでも利益を守る!3つの「条件変更」アプローチ
価格の数字が動かせない場合、以下の3つの視点で「提供するもの」や「提供の仕方」を調整できないか検討しましょう。
・サービス内容や仕様の一部を見直す(スコープの調整) 価格を据え置く代わりに、作業工程の一部を簡略化したり、付随する無料オプションを有料化したりする方法です。相手にとっては「支払う額が変わらない」というメリットがあり、自社にとっては「原価(工数)が下がる」ため、結果として利益率を改善できます。
・発注数量や配送頻度をまとめてコストを抑える(効率化) 都度配送していたものを「月2回にまとめる」などの提案です。物流費や事務手数料を削減できれば、単価を上げずとも自社の負担を減らすことができます。相手にも「在庫を持つ代わりに価格を維持する」という納得感を与えられます。
・支払い条件や契約期間を調整し、資金繰りを改善する 「翌月末払い」を「当月末払い」に変更してもらう、あるいは「1年間の継続契約」を約束してもらうといった方法です。現金化が早まることや、長期的な受注が確定することは、企業にとって価格アップに匹敵する価値があります。
再提案メールを送る際の基本マナーと注意点
再提案の際は、感情的にならず、あくまで「協力体制を維持するための相談」というスタンスを貫きます。
・相手の事情(予算不足など)に共感を示す いきなり代替案を突きつけるのではなく、「貴社の厳しい予算状況も十分に理解しております」と一言添えるだけで、相手のガードが下がります。
・会社としての決定であることを明確にする ビジネスシーンでは、退職理由を「一身上の都合」と定型表現で伝えるように、値上げや条件変更の理由も「社内の厳しい規定」や「全社的な方針」であることを強調します。担当者個人のわがままではなく、組織としての決定であることを伝えることで、相手も「仕方ない」と上司に報告しやすくなります。
【コピーOK】代替案で着地させるための交渉メール文例
パターン①:提供範囲の縮小による実質的な値上げ
作業範囲を絞ることで、現行価格を維持する提案です。
パターン②:発注ロットの変更による物流コスト削減の提案
配送頻度を減らす代わりに、単価を据え置くケースです。
パターン③:早期支払い・長期契約による特別単価の維持
契約条件の有利化をバーター(交換条件)にするケースです。
まとめ:双方が「納得できるライン」を一緒に見つける
値上げを一度断られたからといって、すべてが終わりではありません。「価格」という一つの軸を「条件」という多角的な視点に変えることで、解決の糸口は見えてきます。
・相手の予算事情を否定せず、共感から入る。 ・「提供範囲の縮小」や「物流の効率化」など、自社のコストを下げる代替案を出す。 ・「長期契約」など、相手にもメリットのある条件を提案する。
粘り強く、かつ誠実に対応することで、取引先との信頼関係はより強固なものになります。


